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中央材料部における震災時の洗浄業務対策.1
2023年08月26日2023年9月1日で関東大震災から100年と言う節目を迎えます。このニュースを耳にした時に、
時代は進みこの100年の間にも地震だけではなく数多くの災害が日本でも発生したことを思いました。
震災時の対策として各自治体から『災害時に命を守る一人ひとりの防災対策』が情報提供されています。
※ 政府広報オンラインより
災害による被害をできるだけ少なくするためには、一人ひとりが自ら取り組む「自助」、地域や身近にいる人同士が助け合って取り組む「共助」、国や地方公共団体などが取り組む「公助」が重要だと言われています。その中でも基本となるのは「自助」、自らの命は自らが守る意識を持ち、一人ひとりが自分の身の安全を守ることです。特に災害が発生したときは、まず、自分が無事であることが最も重要です。「自助」に取り組むためには、まず、災害に備え、自分の家の安全対策をしておくとともに、家の外において地震や津波などに遭遇したときの、身の安全の守り方を知っておくことが必要です。
個人の対策の次は、企業(勤務先)の災害対策が必要になって来ると言われています。
では、企業の災害対策はどうして行くかは、4つの状況把握が必要だと言えます。
その4つの状況把握とは!!
・安否の確認
・業務への影響
・災害の状況
・対応を要する事項
今回のコラムでは、この4つ状況把握の中の『業務への影響』を中材業務に焦点を当て対応を交えて情報提供させて頂ければと思います。自身の安全確保が最優先と言えますが、医療の軸(背骨)を支えている中材業務を止める事は医療提供を止める事にも繋がります。
災害時に医療提供を止めない為に『中材業務への影響を最小限に』と言えるのではないでしょうか。
現状すでに対策をかなり進めている現場様も多いと思います。
1.ディスポ商品で対応できるものはディスポ商品を備蓄する
2.洗浄装置・滅菌器の仕様を2パターンにする
2.の設備に関して重要な「電気」と「水」に関して深堀をします。
・電気は何を優先するか?
→電子カルテサーバー?放射線機材?ICUなどの生命維持装置?エレベーターは動かすか?
・水は何を優先するか?
→患者の飲料水?透析用?トイレ?(簡易トイレはあるの?)
などまずは優先使用先があります。病院も中央材料室を必要な部署とは理解しているかと思いますが、災害で様々な機能に支障を来たした場合、どれを優先的に復旧するのでしょうか?やはり上記に記載のある事項から優先されると考えるのが無難でしょう。その環境下でも中材業務を止めない様にするには?と考えると中央材料部が平常時、どの位電気や水を必要とし運営されているかを知る必要があるのと、最低限の運営を行う場合にどのくらいの電気・水が必要か、仮説を出しておく必要があると言えます。
今回のコラムでは洗浄業務の情報提供をさせて頂きます。それ以外の業務に関して後日アップする予定の『中央材料部における震災時の洗浄業務対策.2』も読んで頂ければ幸いです。
洗浄業務(洗浄装置)で必要な「電気」・「水」の量は?
ウォッシャーディスインフェクター1台あたりで推測すると(小型WD)!!
「電気」・・・プログラム1回の工程に必要な消費電力は4.9kw/h(電気式加温)
「水」・・・プログラムで1回の工程に必要な水は約72ℓ
これだけたくさんの「電気」・「水」をインフラ復旧前に使用可能(備蓄)にしておくのは不可能に近いのではないでしょうか。
またシステムシンクの手洗いで対応する、というのは中材スタッフが何人確保できるか、ということが課題となり仮説を立てる事も出来ないと言えます。
では少人数で業務を回すために極力装置に任せられる部分は任せて、時間短縮で洗浄業務が出来る様にするにはどうすればいいのかという事になってきます。
以下のやり方が、正解とは言えない部分(課題)もあると思いますが、現状の選択肢の中では最良の選択肢ではないでしょうか。
その方式とは、大型の卓上超音波洗浄装置(出来ればDINサイズバスケットがそのまま入るサイズ感)を備蓄の水(雨水収集水)でポータブル電源(現在では、容量 2,048Whもあるポータブル電源が販売されている)で稼働させる方法です。これに洗浄剤ベースの洗浄消毒剤を用いて洗浄と消毒を同時に行い洗浄業務の時短を図る。
NCC Column LIST
これではないでしょうか。
洗浄容量の問題とかオートクレーブが稼働しないと意味がない(卓上型滅菌であればポータブル電源で稼働可能)・・・などの課題は見えて来ますが、『清浄度の高い医療機器で診療を行う』。これを実現するだけで災害の不安のなか病院へやってくる患者様へ安心感を提供できるのではと私は考えます。
災害時の洗浄業務で不安をお持ちの方は是非、弊社へお問い合わせ下さい。様々な情報提供をさせて頂きます。