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内腔器材の洗浄評価方法について
2023年05月12日かなり気温も上昇し花粉も飛散も少なくなり、一番過ごしやすい季節となって来ました。キャンプが趣味の私にとっては梅雨入りまでワクワクが止まらない日々がやって来ました。自然の中に身を置きこの場所で、ここにテント張って、好きなキャンプのギアとかも同系色のものを集めテーマを決めて自分だけの世界観を作ろうとキャンプ前はエリアを想像しめちゃくちゃ楽しい気分になります。キャンプが始まると食事を作る時も焚き火の準備から始まり、寝る時も寝袋を準備するなど全てが非日常で不便!!この不便が楽しいとなるのですが、不便が故のトラブルも多く起こります。そのトラブルを参加しているメンバー全員で解決策を生み出し対応を行って行きます。そのトラブルが解決できた時の喜びは、その後の祝杯をより一層の美酒へと変えて行きます。
医療機器の洗浄でも同じことが言える部分があるのではないかと私は思います。洗浄不良(洗浄後汚れが残っているや洗浄後に血なまぐさい匂いがするなど)が発生した際に洗浄スタッフ全員で解決策を出し合う事によりその後の洗浄をおこなう意識が変わって来るのではないかと思います。誰が悪いと言う事ではなく「こうした方が清浄度が上がるよ」とか「この様なセット方法に変えてみよう」などです。ただ、目に見えない相手を解決する時も多くあり解決策が見えない場合もあります。そのような問題を『見えるか』する物が洗浄インジケータではないかと思いますが『医療現場における滅菌のガイドライン2021』8.5.5日常監視で使用する市販のインジケータの運用および評価方法は、特性を十分理解した上で使用する。となっていますこれは、まだまだ一定の規格が洗浄インジケータに使用されていない事を示していると言う事ではないでしょうか。ただ、現場で通常業務内で抽出法の洗浄評価を実施使用とすると言う事はハードルが高いのでは無いかと思います。少しハードルを下げ最終目標を抽出法に置きまずは、洗浄インジケータから始めるのも解決策を生み出したと言えます。
一般器材での洗浄インジケータは数多く発売され現場で個々の製品の特性(反応する洗浄剤やPCDタイプなのかなど)を理解し毎日の洗浄で使用して行く事が出来ます。ただ、一番ネックになるのは内腔器材の洗浄をインジケータで確認を行う事かと思います。内腔を模したインジケータを発売されていないのが現状です。では、ヨーロッパではどうかと言うのを情報提供させて頂きますと、日本と同じくウォッシャーディスインフェクター・自動超音波洗浄装置用の内腔を模したインジケータは販売されていません。これは、本来ウォッシャーディスインフェクター・自動超音波洗浄装置の稼働適格性を確認に行っていると言う考えが一般的となっている国ならではで、一般器材での洗浄評価インジケータでウォッシャーディスインフェクター・自動超音波洗浄装置の稼働適格性軟性が確認出来たら内腔も洗浄は出来ていると言う事なのです。ただ、我々からすると内腔は内腔でやっぱり稼働適格性を確認したいと思いますよね。私もトラブルが解決できた時の喜びを心から喜びたいので内腔の稼働適格性は確認したいと考える方です。この思いを叶えるためヨーロッパではウォッシャーディスインフェクター洗浄用軟性内視鏡用ラックのインジケータとして販売されているものを使用し真空超音波で検証を行いました。真空超音波洗浄装置検証プログラム
NCC Column LIST
不備が発生していない洗浄プログラム
1工程 予洗 3分
2工程 洗浄 10分 55℃ 洗浄剤0.5% 酵素洗浄剤
3工程 すすぎ 1分
4工程 すすぎ 1分
5工程 熱消毒 5分 90℃
不備が発生した洗浄プログラム(洗剤の注入トラブル発生を想定)
1工程 予洗 3分
2工程 洗浄 10分 55℃ 洗浄剤0%
3工程 すすぎ 1分
4工程 すすぎ 1分
5工程 熱消毒 5分 90℃
下記の写真がこの検証プログラムでの結果となります。この結果から内腔用インジケータでウォッシャーディスインフェクターの内腔用ラックや真空超音波洗浄装置などの内腔洗浄の稼働適格性が確認できる事が判明しました。『医療現場における滅菌のガイドライン2021』に記載されている通りインジケータの運用および評価方法は、特性を十分理解した上で使用する事は必要ですが、今まで喉仏に何か引っかかていたと言う方は是非お問い合わせ下さい。我々と共にトラブル解決の喜びを味わいましょう。