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器械洗浄(ウォッシャーディスインフェクターなど)の洗浄剤選択
2023年04月12日4月に入り昨日よりWEBやテレビ等のニュースで、例年より黄砂が多く日本列島に飛来すると言われて
います。
今年は、花粉も多くようやくマスク生活も終わりかと言う時に違う理由でマスクが欠かせません。
飛来する黄砂は、人為起源の大気汚染物質を取り込んでいる可能性も示唆され飛来自体が嫌がられていますが、太古の昔から黄砂は日本に飛来し弱アルカリ性で、緑豊かな日本の大地を作り、食物を育て海を豊かにしてきた砂でとても良いものだとされていました。森林伐採や都市部開発による影響が大きく汚染物扱いなりましたが時代と共に正義の味方が悪者に代わる良い事例かも知れません。また、その逆もあると
思います。
余談はその辺にして、コラムの本題に戻します。
医療器材の洗浄をする洗浄剤には、アルカリ洗浄剤や中性酵素洗浄剤・酸性洗剤が使用されています。
洗浄対象となる医療器材の種類や汚染度合・医療器材ダメージを検討し適切な洗浄剤を選択する必要がありますが一般的には、ウォッシャーディスインフェクターの有機物対象の洗浄剤は、中性酵素洗剤より
アルカリ洗剤の方が洗浄力があり、アルカリ洗剤の方が中性酵素洗剤より医療器材ダメージ発生率が高いとされています。
それを踏まえても洗浄剤を選択する場合、やはり洗浄力を一番に考えたくなりますよね。ただ、洗浄後に医療器材の寿命が大きく縮まると・・・となります。
有機物汚れに関して言うとpH値が大きくなればなるほど汚れ落ちは良くなりダメージも大きくなります。
そうなると『洗浄力があってダメージが少ない洗浄剤一択!!』と言いたくなると思います。
NCC Column LIST
この一択をpH表に当てはめるとpH11位の弱アルカリ洗剤が選べばいいのか⁉となりますが、単純にこのpH値に入っていれば何でも良いと言うわけではありません。やはり強アルカリ洗剤より洗浄力は劣るので、その劣る部分をどの様に補って行くかが課題かも知れません。
数年前からその洗浄力を補うために弱アルカリ洗浄剤に濃縮酵素剤を添加すると言うツーコンポ―
システムだったり洗浄温度を2段階、例えば30℃で5分→50℃で10分などのツースッテプシステムを展開
されているメーカーもありますが、やはりアルマイト加工(ハード陽極化加工)のアルミ医療器材の
塗装剥がれのダメージや洗浄槽の変色やくすみ、洗浄医療器材に錆びや変色(黒色・ゴールド・くすみ)が発生すると言うトラブル相談もよく現場様より受けます。
また、このpH値でクロイツフェルト・ヤコブ病(Creutzfeldt-Jakob disease:CJD)の不活化にも
対応をしたいと言う相談もよく受けます。
全ての要望をクリアーにするのは現状ではかなり難しいかも知れません。数年後には、各洗浄剤メーカー様の努力により『ピッカ』と光る商品が出て来ると思います。
弊社でも全てにおいてパーフェクトな製品とまでは言いませんが、ThermoShield xtremeと言う
弱アルカリ酵素洗浄剤は発売され多くの現場様で採用となって来ています。
洗浄不良や洗浄医療器材ダメージなどでお困りな方々は是非弊社へお問い合わせ下さい。