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医療機器洗浄アドバイザーコラム 第24弾
2023年03月09日こんにちは。関東エリア担当の竹内です。まだまだ寒い日が続き、この2月には都心平野部でも積雪もありましたが、暦の上ではもう春の訪れが近いと思われます。
今回のテーマはLoan Instrument:ローンインスルメント:借用器材の洗浄についてお伝えいたします。
ローンインスルメントといえば整形借用器材を思い浮かべる方が多いと思われます。
特に整形手術においては病院からの依頼を受け、メーカーや業者から器材のを借入れをおこなっております。
基本的には器材搬入後、ガイドラインにも提言されておりますが、手術前に当該医療施設で洗浄・消毒・滅菌の工程が必要です。また術後に洗浄を行った後、メーカーや業者が回収、自社洗浄行った後また別の病院へと貸し出されていく流れです。洗浄業務に携わっている方におかれましてはごく普通の流れであり特段問題は無いと思います。
さてここから本題に入りますが、ある病院では、貸出器材を必要とする手術日の前日夕方、若しくは当日に業者へ連絡、手配をかけることが多いそうです。
インプラント手術関連なら手術日も決めやすいですが、事後で骨折など緊急を要する場合は当日、即手配、即使用となるケースがほとんどで、使用前の洗浄工程を飛ばし滅菌処理をしている病院があります。
これには大義名分といいましょうか、元々清潔(メーカー洗浄している)な手術器械をまた再洗浄する必要性があるの?二度手間では?という意見もあります。
しかしながら、もし貸し出された器械の中に洗浄が不十分で骨片や血液が付着していたら?と考えると怖いですよね。
それでもまあ最終的には滅菌にかけるから問題は無いのでは?と言う意見もありますが、滅菌の質保証から見れば良い洗浄無くして良い滅菌は行えないとも言えます。
やはりLIに添付してある手順書を確認し、分解・洗浄・滅菌と、術前に行うべき工程を遵守することは、洗浄不良リスクを下げることにもなります。
また洗浄不良箇所の発見、更には器材自体の劣化・損傷を目視確認出来れば、術中の器材遺存も防ぐことが出来、大変意義のあることだとも言えます。
細かい話にはなりますが、貸出器械は使用後、当該病院にて一次洗浄を行いますが、
病院施設により、ウォッシャーディスインファクター・超音波洗浄・用手洗浄など洗浄スタイルも違えば、洗浄剤も各病院様々です。更にはWDプログラムも違えば水質も違います。
基本的には貸出器材メーカーの手順書・推奨通り行えば良いのですが、これだけ洗浄だけに絞っても、スタイルや洗浄剤が違えば、清浄度も違ってくるのは当然のことです。
『SSI:手術部位感染ゼロを目指す』のスローガンを掲げている我々FIクリーン事業部としてもこの問題は真摯に受け止め、家族や仲間をSSIから守る為だけでは無く等しく皆様のにもリスク少しでも減らす活動をして行かなければならないと考えております。
NCC Column LIST
何度か過去のコラムにも登場しておりますが、洗浄剤・洗浄評価・及び洗浄評価製品など課題を解決出来る数多くの製品が我々にはあります。
このような貸出器材の清浄度、またスタッフの二次感染から守る為にも弊社の残留タンパク拭取りチェッカーをお勧めいたします。