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医療機器アドバイザーコラム第18弾
2022年09月08日関東エリア担当の竹内です。
お盆を過ぎ、暦上では秋へと歩を進めているなか、まだまだ残暑が居座り続けております。
暑さに負けず体調を万全に整え、食欲の秋・芸術の秋を迎えたいものですね。
さて今回は、NCC FIクリーン事業部スローガンにもなっております『for ZERO SSI』に関して『手術
部位感染:SSI(手術部位感染)=Surgical site infectionの略』(以降略:SSI)と洗浄不良に関係性に
関してコラムを書き進めて行きます。SSIは、手術操作を直接加えた部位に発生する術後感染で、手術創の感染とともに縫合不全や遺残膿瘍などの腹腔内の感染も含み主に手術を行った患者(部位)に発生する感染症全般を指し、症状として患部の
腫れや感染症の併発により熱発することが挙げられます。
一度SSIが発生すると、患者さんにとっては、入院期間の延長・支払う医療費の増大と、手術治療に対する満足度を著しく損ねることになり、SSI発症率を低下させることは非常に重要な課題です。
SSIのリスクは、術前・周術期・術後の3つに分けてリスク分類されその中で中央材料部・中央材料室がかかわるのは「周術期」の設備関連リスクです。
※ 以外のリスク要因もファクターとしては重要ですので興味のある方はSSIリスクで検索して見て下さい。
周術期のリスク因子の中にある事項
NCC Column LIST
● 設備関連
● 不十分な換気
● 手術室の出入りの増加
● 器具/装置の不適切/不十分な滅菌
この『器具/装置の不適切/不十分な滅菌』を解りやすく言い換えると、『洗浄不良は「非感染性(無菌性)炎症」の原因となり、洗浄不良のまま滅菌を繰り返すと、滅菌後も感染力を持つ危険な手術器具になる』と言う事でしょうか。『洗ったつもり』で人の命は守れません。
また、アジア太平洋学会:APSIC(Asia Pacific Society of Infection Control) のガイドラインにも使用済み器具の再生処理が、手術後の感染防止に非常に重要であることが明記されています。
近年では、消化器外科・整形外科・産婦人科だけではなく歯科においても、器具の洗浄不良による滅菌
不良で術後の炎症が問題になっています。
では、本当に洗えてきれいになっているという『事実を確認』することが重要になって来ますが、その『事実を確認』とは、『日常監視における洗浄評価』を行う事が最も簡潔に確認が得られる行為と言えると思います。
この『日常監視における洗浄評価』に関しては、以前の医療機器洗浄アドバイザーコラム第14弾で中四国エリア担当の川端が詳しく説明を行っているので是非合わせてお読みください。
皆様の洗浄を確実に行うと言う思いが必ずSSI発症率を低下させることに繋がっていますので日々情報収集と洗浄業務の改善を繰り返して下さい。我々で協力が出来る事は惜しまずさせて頂きますので、何時でもお声がけ下さい。宜しくお願い致します。