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医療機器洗浄アドバイザーコラム第10弾
2021年12月11日近畿・東海・北陸エリア担当の竹中です。
今回は、「潤滑」をテーマにお話をさせて頂きます。
中材業務で「潤滑」と言うと器材の動きをよくする為に使用する溶剤を追い浮かばれると思います。
ウォッシャーディスインフェクターで使われる場合は、洗浄プログラムのすすぎ工程の後の最終工程で投入されます。この潤滑剤の主成分は、非イオン界面活性剤で器材の表面に保護膜を作り潤滑性を発揮します。
鉗子や剪刀などの器材は使用と洗浄滅菌を繰り返すと可動部の動きが悪くなる物がありますが、この様な器材に対しては定期的に潤滑剤を使用する事が必要です。
動きが悪くなると操作性が悪くなり、金属が擦れて錆の原因にもなります。
潤滑剤の製品では、乾燥促進効果も含まれる物が多く作業時間を短縮し作業効率の向上にも繋がっています。
ここまでは日本での一般的なお話しですが、ヨーロッパでは少し状況が変わってきています。
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特にドイツでは、ウォッシャーディスインフェクターでの洗浄工程で潤滑剤の投入は行わず、組み立て作業時に必要な器材のみにスプレー式の潤滑剤を吹き付ける方法が一般的となっています。
その理由は、鉗子や剪刀と違い可動部のない吸引管などの器材に対しては潤滑剤は必要なく、むしろ潤滑効果が無い方が良い器材も多くあるからです。
ただ、日本では組み立て作業での効率化も重要なので、その対策としては、洗浄装置に「潤滑あり」と「潤滑なし」の洗浄プログラムを用意し洗浄する器材に合わせてプログラムを選択して頂く方法もあります。
潤滑剤は地味な存在ですが、なぜ使用しているか?どのような効果があるか?を理解して使用する事も重要です。