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2021年09月28日

近畿・東海・北陸エリア担当の竹中です。

弊社の真空超音波洗浄装置の取り扱い説明の時に現場スタッフの方から「なぜ真空にするの?」とご質問を受ける事があります。
確かに医療器材を洗浄する装置で「真空」は、なかなか結び付かないキーワードだと思います。
今回は、その「真空」について詳しく説明できればと思います。

この「真空」については、その後に続く「超音波」が関係しています。
真空超音波洗浄装置は、その名の通り「超音波」の力で汚れを落とします。

具体的には、洗浄槽に水を溜めて医療器材を浸漬させ、そこに振動子で圧力波が発生させ、この強い圧力波を利用し洗浄を行います。この圧力波の事を一般的にキャビテーションと呼びます。

このキャビテーションを発生させる洗浄水(溶液)中が飽和濃度近くまで空気を含んだ状態になっているとキャビテーション以外にも多量の気泡が同時に発生し、これらの気泡はキャビテーションを散乱(阻害)するためするためキャビテーション出力の一部を損失してしまい、洗浄力の低下を招きます。
そこで洗浄前に洗浄水(溶液)を脱気して気泡の発生を抑制すれば、キャビテーションエネルギーを有効に洗浄へ利用できる事になります。

この脱気の方法には、エゼクターポンプ方式と真空ポンプ方式があります。
真空ポンプ方式を採用した方が脱気率がよく、より強いキャビテーション効果が得られとともに真空ポンプによって密閉槽内が減圧されます。
この減圧作用により複雑な構造や内腔の有る構造などの医療器材の溜り空気(エアー溜り)が抜けて洗浄液がその構造内部へ入るようになりキャビテーションが隅々まで届くようになります。

その利点を採用したのが弊社の真空ソノログ洗浄装置となります。
真空ポンプを搭載している洗浄装置となるので「真空」と言う言葉を使用しています。

最後に余談となりますが、卓上超音波洗浄装置などでは、器材を洗浄する前に水を溜めた状態で10分ほど超音波を出して下さい。これで、ある程度は溶存気体を空気中に出すことができるので、洗浄効果が高くなります。
一度試して下さい。

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