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2025年12月19日
医療機器洗浄アドバイザーコラム 第54弾

2025年12月19日
医療機器洗浄アドバイザーコラム 第53弾

2025年12月11日
ミスゼロへの挑戦!手術器材識別の『現在』と『未来』

2025年11月04日
洗浄は『見えない汚染との闘い』医療機器洗浄とは異なる産業用洗浄の紹介

2025年10月23日
医療機器洗浄アドバイザーコラム 第52弾

2025年10月21日
医療機器洗浄アドバイザーコラム 第51弾

2025年10月01日
『輪じみ』『さび増加』の真犯人は? 手術器具の仕上がりを変える『水質』の落とし穴

2025年09月10日
洗浄評価の悩み、解決のヒントを見つけませんか?

2025年08月09日
【中材必見】「SSIは中材のせい」と言わせない!洗浄業務の「なぜ?」を自信に変える記録管理術

2025年07月08日
暑さを吹き飛ばせ!!7月の中央材料室を快適に過ごすヒント

2025年06月07日
医療機器洗浄アドバイザーコラム 第50弾

2025年06月07日
蒸し暑さを吹き飛ばす、ヨーロッパからの新しい風:         手術器具再生用洗浄剤の『医療機器承認』という選択

2025年05月14日
医療機器洗浄アドバイザーコラム 第49弾

2025年05月01日
ヨーロッパに学ぶ、環境にやさしい医療機器再生洗浄剤の最前線

2025年04月17日
医療機器洗浄アドバイザーコラム 第48弾

2025年04月03日
手元を明るくするだけで、洗浄の質が向上する!     ― 視認性と洗浄清浄度の関係 ―

2025年03月10日
医療機器洗浄アドバイザーコラム 第47弾

2025年03月06日
ヨーロッパにおける内視鏡洗浄の現状

2025年02月13日
医療器具の洗浄評価はどうする~小さなことから習慣化~

2025年01月30日
医療機器洗浄アドバイザーコラム 第46弾

医療器材の錆びに関して ~ステンレスの不動態膜再形成の重要性~

2021年05月28日

医療器材(ステンレス)の不働態化とは?
ステンレスはstain(汚れ・しみ)+less(なし)、つまり「錆びない」という意味の造語がその由来です。  
ステンレスは含有成分によりいくつかの種類に分類されますが、共通しているのは鉄(Fe)とニッケル(Ni)、それにクロム(Cr)が10.5%以上含まれていることです。クロムは酸素と結合(酸化)して表面に薄くて硬い皮膜を作ります。これが不動態皮膜でありこの皮膜が内部への腐食を防ぎさびや汚れの付着を防止します。 
不動態膜の厚さは3nmと非常に薄いものですが、非常に強靭な膜で、破綻しても酸素があれば自動的に再生する機能を持っています。 

器材メーカーから出荷されたばかりの新品器材は、言わば純粋なステンレス不動態膜が形成されており耐食性があります。しかし、加工や溶接などで皮膜が物理的に除去されており、鉱物油が塗布されているために自動再生ができません。そのために使い初めに能動的に不動態皮膜を作る必要があります。
また、古くなった器材は、自然酸化作用により不動態膜が自然と形成され錆びにくい医療器材となって行きますが、手術中の接触によるダメージや洗浄工程におけるダメージにより不動態膜が剥離され錆びやすい場所が発生します。その剥離された場所を放置すると孔食や折れ(破損トラブル)へ腐食が進行して行きます。
ダメージ(不動態膜剥離)を受けて医療機材は、不動態膜の再形成を促してやることで孔食や折れ(破損トラブル)へ進行せず再び錆びにくい器材に蘇ります。

不動態膜の再形成を促す溶剤の紹介をさせて頂きます。
thermoshield Pの作用は非常に単純なものです。不動態化は前述の通り、クロムが酸化して形成されます。つまり、酸化剤とステンレスを一定時間接触させればステンレス表面に不動態膜ができるというわけです。thermoshield Pの主成分は硝酸とリン酸、それに界面活性剤です。硝酸は強い酸化剤であり、硝酸の力で不動態膜が形成されるというわけです。

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