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ウォッシャーディスインフェクターと超音波洗浄の洗浄スタイルと特長
2024年06月10日6月は、様々な記念日が設定されている月になります。記念日が被っている日として有名な日は、6月9日で
6と9でロックの日と言われています。何となく理解できた人もいらっしゃると思いますが!!
音楽の『ロック』の日と鍵の『ロック』の日が同じ語呂合わせで被っています。
音楽の『ロック』の日は、楽器・音楽制作系のフリーペーパー「DiGiRECO(デジレコ)」を発行する、
株式会社ミュージックネットワークにより制定された様ですが、ロック好きの間ではエレキギターの名機
「ギブソン・レスポール」の生みの親であるレス・ポールの誕生日から来ていると言われています。
次に鍵の『ロック』の日は、鍵を扱う日本ロックセキュリティ協会が数字の語呂合わせから定めた日の
様です。別名、我が家のカギをに直す日とも言われ防犯意識を高める活動を行う日として使われている
様です。
私がロックと言って思い浮かべるのは、プレイヤーとして3年・ファンとして29年を過ごしたラグビーの
ポジション名です。ラグビーの中でスクラムの中央にいるのが左ロックと右ロックと言われるポジション
で背番号が4番と5番の選手です。チーム内で高身長の選手が勤め空中戦のスペシャリストと言われます。
私のラグビー物語は、NCC通信にも度々出て来る話題なので興味のある方は、ぜひ営業担当のお声かけ
下さい。不定期で発刊しているNCC通信は、商品や業界情報と共にNCCメンバーのクスッと笑える物語
を紹介させて頂いていますので皆様の『ホット』して頂ける息抜きに購読して頂ければ嬉しいです。
そのNCC通信にもお客様から情報提供を要望され頻繁に出て来る話題があります。
それは、洗浄装置の使い分けと言う事です!!
自動洗浄装置も時代と共に様々なスタイルが存在しどのスタイルが再生を行う医療機器に合っているのか
の選択を悩む場合も多くあると思います。また、購入を考えうるポイントとしても2種類の洗浄スタイルが
あるのが良いのか?シンプルな方がいいのか?を悩まれている方も多いと思います。今回のコラムでは
そのような事で悩まれている方の少しでもアドバイスになればいいなぁーと考えながら書き進めて行か
せて頂きます。
手術器材の洗浄には、洗浄消毒装置と超音波洗浄装置の2つの主要な洗浄装置が用いられます。
これらの装置は、それぞれの技術と手法に基づき、効果的に器材を洗浄するために使い分けられます。
以下に、それぞれの装置の特徴と使い分けの理由について説明して行きます。洗浄消毒機(ウォッシャーディスインフェクター)は、以下のような特性を持っています。
NCC Column LIST
物理的要素:洗浄効果
ウォッシャーディスインフェクターは、回転するスプレーアームから高圧水と洗剤を噴射し、物理的な力で
汚れを除去します。この方法は、比較的単純な形状の器材や表面が広い器材に対して非常に効果的です。
高圧水と洗剤の組み合わせにより、大量の汚れや血液などの有機物を短時間で除去できます。
化学的要素:洗浄剤と工程プロセス
ウォッシャーディスインフェクターは、洗浄剤と洗浄水の相性を見極めてやることで、用手での一次洗浄
を最小限に抑え、一貫した洗浄品質・清浄度保証を確保できます。また、工程の多段階プロセスは、
効率的かつ効果的に器材を再生するために重要で洗浄・すすぎ・熱水消毒・乾燥などの複数の段階を自動
で行いますが、全ての工程に環境によって変更を行うべきである時間設定と環境判断が必要です。全ての
現場様で同じ設定では化学的要素に問題が発生する場合があります。
熱水消毒:温度管理
ウォッシャーディスインフェクターは高温消毒機能を有しているので、洗浄と同時に熱消毒を行うことが
できます。これにより、微生物の数を大幅に減少させることができ、感染リスクを低減します。
特に、準清潔エリアへ搬出に対して消毒レベルが求められる手術器材に対して安全で残留性がない
消毒方法となります 。
超音波洗浄装置(卓上超音波洗浄装置・真空超音波洗浄装置)は、以下のような特性を持っています。
物理的要素:キャビテーション効果
卓上超音波洗浄装置は、高周波の音波発生装置を使用してキャビテーションを起こし、小さな気泡が
手術器材の表面や細部で爆発(内破裂)することで汚れを除去します。この方法は、複雑な形状や細かい
部分、狭い隙間の洗浄に非常に効果的です。キャビテーション効果により、目に見えない微小な汚れや
バイオフィルムも効果的に除去できます。また、真空超音波洗浄装置では、キャビテーションと真空に
よる微細な洗浄効果により、内部構造が複雑な器材や細かい部分に溜まった汚れを徹底的に除去でき
ます。(真空超音波洗浄装置では、ウォッシャーディスインフェクターと同等の自動処理・熱水消毒も
可能となります)
化学的要素:洗浄剤との組み合わせによる非接触洗浄
繊細な器材や用手洗浄では損傷しやすい器材と整形器材に見られる骨片詰まり・肉片詰まり、
また手術器材表面に頑固に残留する脂汚れに対して洗浄剤とキャビテーションの組み合わせにより
非接触で安全に洗浄を行う事が可能となります。この洗浄スタイルを選択する事により、用手洗浄での
負荷力などによる手術器材の寿命を短命にすることを無くすだけではなく、用手洗浄での洗浄スタッフ
を洗浄怪我(刺し事故)から守る事が出来ます。
使い分けの理由
手術器材の再生プロセスでは、器材の種類や汚れの程度、必要な清浄度レベルに応じてウォッシャー
ディスインフェクターと卓上超音波洗浄装置・真空超音波洗浄装置を使い分けることが重要です。
器材の構造と材質
ウォッシャーディスインフェクターは、比較的単純な形状で表面積が広い手術器材の洗浄に適して
います。一方、卓上超音波洗浄装置・真空超音波洗浄装置は、複雑な構造や内部に汚れがたまりや
すい器材に適しています。
例えば、内視鏡や精密な手術器具は卓上超音波洗浄装置・真空超音波洗浄装置での洗浄が効果的です。
汚れの種類と量
ウォッシャーディスインフェクターは、汚れや血液などで汚染された手術器材を1回で大量処理したい
時や一定の清浄度を担保したい場合に適しています。卓上超音波洗浄装置・真空超音波洗浄装置は、
頑固な汚れ・固着した汚れやバイオフィルムを除去するのに優れており一次洗浄としての役割も発揮
します。
熱消毒の要件:
ウォッシャーディスインフェクターと真空超音波装置は、洗浄と同時に熱水消毒も行えるため、安全で
安価な消毒レベルが要求される場合に有効です。卓上超音波洗浄機は主に洗浄に特化しており、一次洗浄
としての要素が大きいですが、近年では、洗浄剤ベースの消毒剤も普及してきており溶剤の選択によって
は、ウォッシャーディスインフェクターと真空超音波装置と同等の使用が可能になって来ています。
※ 卓上超音波洗浄装置はのすすぎ工程は、手動での運用が必要です。
これらの理由から、手術器材の洗浄には、各器材の特性と使用状況に応じて最適な洗浄方法を選択する
ことが求められます。
適切な使い分けにより、器材の洗浄効率と衛生状態が最適化され、患者の安全が確保されます。