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2024年05月10日

中四国エリア担当の川端です。
仕事がら車の運転を毎日のようにします。
駐車場などで駐車する際、私の場合7~8割ぐらいはアタマから
突っ込んで駐車する、いわゆる前進駐車をします。
なぜかと問われると自分でも明確にこれといった理由はありません。
この方が停めやすいし出る時も特に問題ないと思っています。ただ私以外の車の
8割以上はオシリから入れるいわゆる後方駐車です。
これが日本の常識なんだと思います。
対してアメリカではほとんどの車がアタマからの前進駐車をするそうです。
なぜなんでしょうか。日本人とアメリカ人の国民性の違い?文化の違い?
理由は諸説あるようですが、前進駐車がアメリカの常識のようです。
ところ変われば常識も当然のように変わる、ということはいろんなシチュエーションで
よくあることだと思います。
ちなみに私にももしかしてアメリカの血が流れているのか、と思い母親に聞いてみたら
「あんたは純血のコテコテの関西人や!」と言われました(笑)。

さて今回は一次洗浄についての話題に触れていきます。
WDの洗浄だけで汚れを落としきれないものに一次洗浄(予備洗浄)を行っている施設様が多いと思います。その中でも日本では恒温槽による浸漬洗浄が一次洗浄として広く用いられています。

『用手洗浄』について書かせてもらった当コラムの第20弾では以下のように触れました。
日本の「滅菌保証のガイドライン2021」では用手洗浄に使用するものとして恒温槽の記載はあるが超音波の記載はなし。
ドイツの『ZENTRAL STERILISATION』という2013年のガイドラインでは恒温槽の記載はなく超音波洗浄機の記載がある、という状況です。
つまり日本とヨーロッパでは用手洗浄の常識が違っています。

常識にとらわれず恒温槽と超音波洗浄機の両者を比較してみたいと思います。
恒温槽の特長は
①温度管理
浸漬洗浄で主に使われる酵素洗剤の活性適温は大体40℃ぐらいです。恒温槽は定めた温度を一定に保つ温度管理ができ洗浄効果を高めます。
②洗剤の浸透効果
恒温槽では器材を洗浄液に浸漬するので細かな隙間や内腔にも洗剤の効果が行き渡ります。
③物理的洗浄効果
恒温槽は槽内の温度を一定に保つため撹拌を行う機能があり水流が起こります。
これにも物理的に汚れを洗浄物から引き剥がす効果が多少あります。

対して超音波ですが
①温度管理
製品にもよりますが温度管理が可能な機種は多く、恒温槽と変わらない機能があります。
②洗剤の浸透効果
恒温槽と同様の効果があります。
③物理的洗浄効果
超音波キャビテーションという簡単に言うと泡の破裂のような現象で汚れを剥ぎ取ります。直進流という水流効果も起こるため恒温槽に比べるとかなり高い物理的洗浄効果が期待できます。

この他にも
超音波の物理的要素が洗剤の化学的な洗浄要素を補えるので洗剤を半分程度まで減らしても高い洗浄効果を期待できたり、同じ理由で洗浄時間の短縮も期待できます。
ここまでだと超音波の方がメリットが大きそうです。
超音波の方でデメリットを考えると、そのひとつは槽の大きさだと思います。
超音波洗浄機にも様々な大きさがあるので一概には言えませんが、いろんな病院の中材を見る機会の多い私の感覚では恒温槽の方が処理できる量は多いのではないかと思います。

このようにそれぞれに良し悪しはあるとは思います。
私の個人的見解としてどちらがより一次洗浄の方法として優秀かと考えると、それは超音波の方だと思っています。私がお世話になっている施設様でも以前、吸引嘴管の洗浄に困られていたのですが卓上超音波洗浄機を導入したことで吸引嘴管の洗浄評価の結果が継続的に各段に良くなった、という経験をしています。

具体的に超音波の方が優れていると思える理由を挙げると
①ランニングコストが安い
先述したように洗剤の使用量は約半分程度になると考えられます。導入費用としては超音波の方が高くつくかも知れませんが長期的に考えると超音波の方が経済的ではないでしょうか。
②時間短縮、作業量の低減
超音波の物理的洗浄効果により浸漬を行う時間も半分以下に減らすことが可能だと考えます。またブラッシングなどの手作業も減らすことができます。
③災害時への備え
昨今頻繁に起こっている大地震などの災害が起こり、大型の洗浄機が動かせない状況に陥ったら器材の洗浄はどうなるでしょうか。
卓上の超音波があれば簡易的な電源と少量の水で洗浄が行えます。
80℃以上の温度管理ができれば消毒も可能ですし、洗浄と消毒を同時に行える洗剤もあるので災害時にも清潔な器材の供給が可能になると考えます。

③については特に意識されている施設様もあまり多くないのではと感じますし、今後特に重要になってくると考えています。

弊社にも卓上の超音波洗浄機、消毒もできる用手洗浄剤なども取り揃えておりますのでぜひお問合せください。
今後も常識を変えていく、あるいは超えていけるような業務改善のご提案を考えていきたいと思います。

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