-
医療機器洗浄アドバイザーコラム 第20弾
2022年10月20日中四国エリア担当の川端です。
今回は『用手洗浄』をテーマに書かせて頂きます。
手術あるいは病棟・外来で使用された器材が洗浄エリアに帰ってきたら
様々な処理を行われていると思います。
カウントを済ませたものはそのままウォッシャーディスインフェクター(WD)などで洗浄する
ものもあれば、恒温槽での浸漬を一定時間行ってからWDで洗浄、あるいはブラシを使用して
の用手洗浄や超音波洗浄機で予備洗浄を行ってからWDに入れるものもあるかもしれません。『滅菌保証のガイドライン2021』では
用手洗浄は①ブラッシング洗浄②浸漬洗浄③清拭洗浄、の3つに分けられます。
そして用手洗浄に使う装置・アクセサリーとしてIQ・OQの必要性が記されているものとして
①シンク②恒温器・恒温槽③エアガン、ウォーターガン、が挙げられています。
ドイツの『ZENTRAL STERILISATION』という2013年に発行された用手洗浄と用手消毒の
バリデーションガイドラインでは用手洗浄とは①浸漬②ブラッシング
③超音波洗浄機などの適切な装置を必要に応じて使用、と書かれてあります。
用手洗浄に使われる装置としては①エアガン、ウォーターガン②超音波洗浄機の記載があります。
日本とヨーロッパの両ガイドラインを比較すると
日本では恒温槽・恒温器の記載がありますがドイツでは一切記載がありませんでした。
またドイツのガイドラインでは超音波洗浄機についての記載がありますが
日本のものには記載がありませんでした。
日本のガイドラインでは超音波洗浄機については他の章で
記載があるため用手洗浄のところでは書かれていないのかもしれませんが。
ヨーロッパの取引メーカーの方と話をした時にそのような話題になり
聞いてみるとヨーロッパでは恒温槽はやはり使わないようです。
理由は雑菌の増殖しやすい40℃前後の溶液に不潔物品を漬けておくことが良くないから、
ということでした。
ヨーロッパでは物品が戻ってきたらシンクに少量のぬるま湯を溜めて
そこに用手洗浄剤を適量注入し浸漬しながら液中で必要なブラッシングを行い、
洗浄が終わったら洗浄液は排液する、というやり方が主流のようです。
※ 中世ヨーロッパでペスト(黒死病)を治療するためのペスト医師のイラスト
NCC Column LIST
弊社にも用手洗浄剤としてプラザイムエクストラという製品があります。
こちらは温度管理の必要がない用手洗浄剤で恒温槽などを使わずとも
短時間の浸漬で洗浄の行える製品となっております。
興味のある方は是非一度お問い合わせしてみてください。