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医療機器洗浄アドバイザーコラム第15弾
2022年06月20日関東エリアの竹内です
爽やかな季節は長く続かず、憂鬱な梅雨入りと、気は滅入りますが、感染者数も減少傾向で少しずつ日常・業務を取り戻せているかと思います。
しかしながら、長引くコロナの影響で、まだまだ大変な時期を過ごしていることかと思われます。マスク着用や手指消毒など、感染管理対策は緩めることは出来ません。また日本人の文化・習慣の影響もあり、手洗いに関しては菌を洗い落とすことで、地味ではありますが、コロナ対策としては有効な手段として確立されてきたのは事実です。
さて、菌を流水で洗い落とすことは、中材業務においての洗浄過程において同じく重要な要素であることは言うまでもありません。今日は一見地味にも思える洗浄について少し掘り下げて話を進めたいと思います。医療機器の洗浄とは?洗浄の有効性とは?
① 洗浄の目的は医療器材に付着している血液・脂肪・組織など汚染物の除去を行うことであり、滅菌や消毒を行う前処理として大変重要である。洗浄が十分でない医療器材は有機物や汚れが残存し化学殺菌物質を非活性化したり、凝固・変性することによって微生物を消毒や滅菌から保護するため滅菌・消毒が不十分となり、感染リスクを高めます。
② バイオバーデン(初発菌数)を減少させる。滅菌前に十分な洗浄を行い、初発菌数を減らすことが重要になり確実な滅菌を保証するポイントとも言えます。
③ 有機物が医療器材の可動部に残留する事により性能の確保および機能の保持ができず、サビや稼働域が狭くなり手術における医療器材の性能が低下します。
医療機器洗浄の注意点は?
① 使用後の医療機器は速やかに洗浄を実施する。乾燥した有機物の汚れは洗浄が大変しにくく洗浄業務時間が大幅にアップします。
② 洗浄を行う医療器材に合った洗浄スタイルを選択する。不適合な洗浄スタイルで洗浄を実施すると医療器材の故障やトラブルに繋がります。
・浸漬洗浄
・用手洗浄
・機械洗浄
・ウォッシャーディスインフェクター
・超音波洗浄洗浄業務も流れがある程度は、決められており通常予備洗浄→本洗浄→すすぎ→乾燥となります。
NCC Column LIST
今回は本洗浄業務の基本についても少し触れておきます。
本洗浄の基本は「分解」であり、全表面を洗浄できるように分解できるものは分解して洗浄を行わないと洗浄不良が発生するポイントを作ってしまうこととなる。その作業をスムーズに行うためには、複雑な器械・器具はメーカーに問い合わせし『その材質・分解方法・洗浄方法・消毒方法・滅菌方法・その他(材質・器材との影響性など)』を確認する必要性があります。
弊社では中材業務における洗浄方法・洗浄剤など、蓄積されたノウハウを活かし皆様のお役にたてればと考えております。この記事を読んで少しでも洗浄についてのお悩みや相談有りましたらホームページ上のセミナーへご参加下さい。皆様のお悩みを解決できるヒントがあるかも知れません。