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管腔(内腔)医療機器における洗浄評価に関して
2022年06月20日今回のコラムは、現場様から最近問い合わせが増えている「管腔(内腔)構造を有している医療器材の洗浄評価を現場で簡潔に行いたいが、何かいい方法は無いでしょうか」と言う事です。
洗浄において器材に付着した汚染物や微生物数を可能な限り減少させることで、その後の滅菌工程における無菌性保証水準が高くなる事は、中材業務に関わられている方々からすれば百も承知の事項なのかと思います。
近年、鏡視下手術の増加により中央材料部(材料室)での洗浄を実施する機会が増加している管腔(内腔)構造を有している医療器材管腔内の洗浄は、用手洗浄や機械洗浄を用いて苦労した洗浄においても、その清浄度の確認は目視で判定することは難しいとも言えます。
まず、洗浄評価は目視法・直接判定法・間接判定法を組み合わせて実施し、結果を保管する事だと考え
ます。では、分類は?
① 目視法
洗浄後の器材に付着している残留物を目視で確認する方法で、拡大鏡を使用することが望ましい。目視法は数値化でき ず、器材の重なりや内腔などが判定できない場所もある。
② 直接判定法
洗浄後の器材に付着している残留蛋白質量を評価する方法で、実際に使用した器材の評価が可能である。
③ 間接判定法
洗浄装置が正常に稼働したかどうかを確認するための方法で、洗浄インジケータを器材と一緒に洗浄し、洗浄後のインジケータに残留している汚染物の状態を判定する。
管腔(内腔)構造を有している医療器材や内視鏡で使用可能な洗浄評価法は、②直接法と③間接法の2種類です。
現在この2種類の方法を使って管腔(内腔)構造を有している医療器材や内視鏡の洗浄評価を実施しようとすると可能か?頑張れば現在販売されているATPや抽出法による直接判定法:市販インジケータの改良による間接判定法を用いれば可能かと思われますが、洗浄評価をされる方々の創意工夫で評価可能となるために簡潔に行う事は不可能とも言えるでしょう。
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では、現在国内で簡潔に内腔下の洗浄評価が出来るのか?と言うと「ムリ」と言うのが正しい答えとなるのですが、ヨーロッパ各国では、管腔(内腔)構造を有している医療器材や内視鏡の洗浄評価を現場で簡潔に一般医療器材と同じように実施しています。
弊社では、7月よりヨーロッパで販売されている管腔(内腔)構造を有している医療器材や内視鏡の洗浄評価キットの日本国内での市場調査をスタートさせます。
ご興味のある現場の方は、是非とも弊社へご連絡を頂ければサンプリング提供させて頂きますのでホームページへお問い合わせ下さい。