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洗浄に使用される水の硬度とは?洗浄に与える影響は?
2021年11月15日ウォッシャーディスインフェクターや超音波洗浄装置・浸漬洗浄・ミルクテック槽などに使用する水が原因で『シミ』『錆』『石灰現象』『レインボー現象』が発生し悩まれる現場も多くあり弊社も相談をよく受けます。
硬度とは、水に含まれているカルシウムやマグネシウムの量を表す数値で一般的には、硬度0~100mg/lを軟水、101~300mg/lを中硬水、301mg/l以上を硬水とされていて日本の市水はそのほとんどが硬度120mg/ℓ以下の軟水か中硬水に分類されます。
洗浄には、軟水?硬水?どちらがお勧めされているかと言うとそれは断然、軟水の方がお勧めです。
理由は?
①水あかが付きにくい。
②洗剤カスが付きにくい。
③洗剤の洗浄力が高まる。
などのお勧めポイントが多くあります。硬水がなぜ洗浄にお勧めできないかと言うと、硬度成分がイオン性界面活性剤と結合してその活性を消失させたり硬度成分が汚れの凝集や汚れの再付着を助けたり、器材表面や洗浄槽表面に上記写真の様な表面トラブル『レインボー現象』を起こす事があります。
このトラブルを改善するには対策が必要ですが、上記で触れている様に日本は軟水のエリアが多いのになぜトラブルが起きるの?と言う声が聞こえて来そうです。実は、現場によっては井水を使用して洗浄を行っている場合も多く条件によって300mg/l以上の硬度がある現場があります。そうした硬度の高い現場では、洗剤の分注量を標準分注量より上げる必要があるとともに器材の表面トラブルを防ぐ溶剤を使用する必要があります。
※ 器材表面・洗浄槽表面トラブルの対策溶剤は、医療機器洗浄アドバイザーコラム 第9弾 『竹内コラム』に詳しく書かれていますので是非お読み下さい。もう一点、上記写真の様な『石灰現象』の場合は、硬度だけが原因と言うわけではないのです。某トイレメーカー調べでは、日本の水道水は硬度分が低い割には、シリカスケールが多いと言われています。このシリカスケールとは、水垢の種類の中でも非常に頑固なもので器材の表面に白い結晶として残留して来ます。
NCC Column LIST
器材表面・洗浄装置槽内が“わじみ”や『石灰現象』になって困っている・装置の熱交換にスケールが付き故障したなどのトラブルで水質検査を行ったら軟水だったという経験はありませんか?
その原因の多くはシリカスケールの場合が多くあります。このシリカスケールを除去するにも対策溶剤が必要になって来ます。専用溶剤で処理を行うと下記写真の様にステンレスの輝きが戻って来ます。
器材表面トラブル・洗浄槽トラブル等で水質検査を行い…「水質問題なし」と言われたが…トラブルは改善しないなどで悩まれている現場の方は、ぜひ弊社へご連絡下さい。