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医療機器洗浄アドバイザーコラム 第47弾
2025年03月10日中四国エリア担当の川端です。
一応ビジネスマンの端くれなので普段仕事では革靴を履きます。私は靴磨きをするのが好きで、来週の出張に履いていく靴を週末に靴磨きすることがよくあります。靴クリームを塗った革靴は最初ぬべーっとしていますが一生懸命ブラシをかけると段々とピカピカになっていくのでとても気持ち良く感じます。まさにブラッシュアップ(=磨きをかける)です。
最近、当事業部でも盛んにいろんなことをブラッシュアップしていこうという取り組みをしています。
お客様に提出する資料、自分達の日々の行動や計画などをもっと磨き上げてより良いものにしていこう、ということです。
さて、『今回は医療現場における滅菌保証のための施設評価ツール』についてのお話しです。
こちらも2020年発行当初のものからブラッシュアップされ現在はVer.1.1となっています。
大きい項目としては
①再生処理
②標準作業手順書
③他部署とのコミュニケーション
④施設および設備
⑤参考
の5つの構成になっており、
評価のための設問は全部あわせて152問あります。この中で私たちNCCの専門分野である洗浄の部分をピックアップすると
①再生処理
・洗浄業務 → 1~12
・洗浄のバリデーション → 40~47
②標準作業手順書
・洗浄 → 70~76
以上の27項目ということになります。
全部を詳しく見ていくとかなりのボリュームになってしまうので今回は①再生処理の
「洗浄業務」の評価項目1〜12で「必須」項目とされている4つについて見ていきます。
『1. 医療用洗浄剤を用いて、ラベル・カタログなどに記載された使用方法に沿って洗浄していますか?』
→アルカリ不可の器材をアルカリ洗剤で洗っていないか、洗剤の希釈率は適用範囲か、洗剤の至適温度(最も活性する温度)でのプログラム設定になっているか 、保管温度、使用期限を守っているか。などが問われています。WD用の洗剤でメーカー純正のものを使われている場合は問題ないと思いますが別メーカーの洗剤を使用している場合はプログラムの再設定などを自分たちできっちり行うか、そこまで責任を持ってくれるメーカーのものを選ぶなどする必要があると思います。
『3. 洗浄物の取り扱いについてメーカーの定める注意事項を確認していますか?』
→ロボット鉗子など特にそうですが、器材の洗浄方法に禁忌事項、推奨事項が明確になっているものが多くあります。添付文書を確認する、器材メーカーに直接確認する、などの方法で器材ごとに洗浄方法を明確にしましょう。
『9. 機械洗浄工程が正常に終了したことを記録紙、洗浄インジケータ、電子記録などで確認し、記録を保管していますか?』
→WDなどではほとんどの場合自動で洗浄の記録が取られ保存されていると思います。あと洗浄インジケータは洗剤がちゃんと投入されているか、プロペラが正常に作動してシャワーがちゃんと当たっているかなどを教えてくれる重要なツールとなります。使用されていない施設様ではぜひ導入を検討頂いたほうが良いと思います。
『12. 適切に洗浄されたことを目視検査で確認していますか?』
→ これは最も基本的かつどんな施設でも可能な項目だと思います。目視で汚れ残りがしばしば確認されるということであれば、WDに入れる前の予備洗浄、洗浄プログラム、洗浄機の性能状態、洗浄物のセット方法などに問題があると思います。
今回は以上4項目に触れましたが続きはまた改めて書くようにしたいと思います。
施設評価ツールで得られた評価結果は、中央材料室の業務を可視化し改善点を明確にするための貴重な情報源となります。ただし『評価を実施しただけで終わり』では意味がありません。現場に即した形で改善策を立案し、実行に移すことが必要です。定期的にチェックを行うことによりPDCAサイクル(評価→分析→改善→再評価)を回していき、洗浄・滅菌業務をより『ブラッシュアップ』していくことが出来るのではないでしょうか。
具体的には以下のようなスケジュールでチェックを実施してはどうでしょうか。
●四半期ごと(3カ月に1回):
中央材料室の評価項目を部門ごとにローテーションで実施
(例:1月は洗浄工程、4月は包装・滅菌、7月は保管管理など)
●半期ごと(6カ月に1回):
評価結果を分析し、現場責任者を交えた業務改善ミーティングを実施
●1年ごと:
経営層へ報告し、設備投資やスタッフ教育計画への反映を検討
私たちNCCもこうした取り組みを支援しながら、医療機関の洗浄保証レベルの向上に貢献していきます!みなさまもこの施設評価ツールを自施設のブラッシュアップにぜひ役立ててください。
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