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洗浄装置への積載前一次洗浄処理方法と種類
2024年08月05日今年は、例年になく酷暑日が続きます。私が生まれて48年こんなに暑い夏は経験した事がなと思います。これだけ熱くなると…冷たいジュースやアイスクリームばかりとってはいませんか? 暑いからといってしっかり食事をとらないと、栄養が偏ってだんだん疲れが取れなくなり、体調を崩してしまいます。 食事をとる事によって、栄養やパワーが蓄えられ日々の活動もエネルギッシュに動けると思いますが、がっつり食べるがキツイそこで、『つるっと』『ひんやり』食べる冷やし中華を食べてみませんか?私だけかもしれませんが、つけ麺が流行り出したころからあまり食べなくなった様な気がします。本来夏の風物詩ともいえる冷やし中華は、夏バテ予防に抜群の様です。野菜も多く取れ栄養効果は言うまでもありませんが!! たれに含まれる酢は、強力な抗菌力で食中毒を防ぎ、疲労回復・食欲不振などに効果を発揮します。
また、トマトやきゅうりに含まれるカリウムやピラジン(青臭さの成分)が、利尿効果作用をもたらし
水分が取り易くします。今晩は、大阪の No.1冷やし中華『カドヤ食堂』へ行って来ます(笑)
町中華でカウンターに座り厨房を見ている中華丼ぶりを食洗器で洗浄するのをよく見かけます。
中華は、動物性脂が多い食品を取り扱うので食洗器に中華丼ぶりを入れる前にシンクに浸漬し、
その後、職人さんがスポンジで前処理を行い食洗器に入れていますね。前処理をしないと動物性脂が
残ってしまうからだと思います。医療機器洗浄においても前処理を行う理由の一番は『脂分』がウォッシャーディスインフェクターで取り切れない所かもしれません。今回のコラムでは、その前処理(一次洗浄)の方法と種類を説明したいと思います。
代表的な前処理(一次洗浄)は、以下の3パターンだと思われます。
・ 用手洗浄(手洗い洗浄)
温水シンク内に溜め中性洗剤酵素洗剤を用いて機器を洗浄し ます。
柔らかいブラシやスポンジを使用して、機器表面や隙間に付着した 汚れを除去します。
推奨器材: デリケートな素材や精密機器、手動で洗う必要がある器具洗浄に適しています。
・ 超音波洗浄(卓上超音波)
超音波洗浄機に適した洗浄液を入れ、機器を投入します。キャビテーションで微細な振動を起こし、
汚れを除去(剥離)します。
推奨器材: 精密機器や整形器材の器具洗浄に適しています。
・ 浸漬洗浄(恒温槽洗浄)
タンパク質や血液の汚れを効果的に分解する酵素洗剤を使用し一定時間浸漬してからすすぎ洗浄を行う
事で、付着した有機物を取り除きます。
推奨器材: 血液や体液で多量に汚染された表面積の大きい器具洗浄に適しています。
皆様もこのどれかの一次洗浄方法で前処理を行われているかと思いますが、それぞれを少し比較して見ましょう。
大きく分けると人が行う洗浄:用手洗浄と機械が行う洗浄:恒温槽と超音波洗浄を比較してみると!!
効率性では:
機械洗浄(恒温槽や超音波洗浄)は、複数の器具を同時 に処理できるため、手洗浄に比べて業務時間を
大幅に短縮できます。
一貫性では:
機械洗浄は設定したプログラムに従って一定の洗浄効果を得ることができるため、手作業のばらつきを
抑えられます。
労働負担では:
手作業による疲労や人為的なミスを減らすことができるため、医療スタッフの負担軽減につながります。
この比較だけで判断すると機械洗浄の方が有効に思えますが、機器や施設によって最適な方法は異なるため、実際の選択においては、使用する機器の種類や汚染度、洗浄装置の有無などを考慮し、最適な方法を選択することが重要だと考えます。
では、ヨーロッパではどうなっているのでしょうか少しだけ説明させて頂きます。
NCC Column LIST
ヨーロッパでは、医療機器の洗浄と消毒についてのガイドラインがいくつか存在します。
以下は主なガイドラインの概要です。
EN ISO 17664:2017
医療機器の洗浄、消毒、滅菌に関する情報提供の要求事項を定めています。製造者が提供すべき処理方法の指示についての基準を示しています。
重要点: 製造者は、機器の再使用に際して必要な洗浄・消毒方法を明確にし、それに従うことが求めら
れます。
ECDC(European Centre for Disease Prevention and Control)ガイドライン
感染制御の観点から、医療機器の洗浄と消毒に関するベストプラクティスを提供しています。
重要点: 洗浄手順の標準化、職員の教育、適切な機器の使用などが推奨されます。
ヨーロッパ規格(EN Standards)
洗浄剤や消毒剤の使用に関する規格が定められています。各種洗浄剤の有効性や安全性についての基準を含みます。
重要点: 洗浄剤の選択と使用法が機器の素材と適合することが強調されています。
これらのガイドラインは、医療機器の安全性と有効性を確保するために重要です。
それぞれの病院や医療施設は、これらの基準に基づいて洗浄手順を策定し、遵守することが求められている様です。
これを知ると『前洗浄(一次洗浄)』の大切さがわかり、ウォッシャーディスインフェクターが洗うから真空超音波が洗うからと思って適当に洗浄業務に当たるのは『ダメ』だと言う事が解って頂けたのではないでしょうか。前洗浄(一次洗浄)の事も洗浄方法や業務改善方法など日々情報を集めて見てはどう
でしょうか。我々も毎月情報通信を発刊していますので興味のある方は是非営業担当者へ連絡を下さい。