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2024年02月10日
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2024年04月11日

関東エリア担当の竹内です。3月と言えば年度末や卒業など節目の時期でもあり、今までの慣例を見直し、来る4月に向け見直すタイミングとして良い時期でもあります。
さて今回のテーマは器材洗浄において、当たり前のように行っていてかつ、実はとても大事な役割を担うすすぎが、洗剤残留した場合における悪影響についてお話ししたいと思います。

すすぎとは? 水で洗い汚れをすすぎ落すことと、残留洗剤を落とすことです。
家庭においては洗濯ものや家庭用食器など、すすぎ残りがあると、タオルは手触りがごわごわしますし、食器もヌルヌルが残って良くないですよね。

では中材において主に手洗いやウオッシャーディスインフェクターですすぎを行なっておりますが、役割や重要性はとは?

役割としては洗浄工程で器材に付着した汚れをまず洗浄液中に引き離すことです。
そして汚れを包み込んだ洗浄液をすすぎで洗い流すことで汚れの再付着を防止することが大事です。

ではここで皆様に質問です。
『すすぎが確実に行なえた』ことに対する判断や確認は実施しておりますでしょうか?
手洗いや浸漬洗浄後に器材を流水ですすぐ際には、触った感じや手の触感でヌルヌルしていればすすぎが不十分であると判断出来ますが、目視だけではすすぎがきっちり行えたかどうかは判断出来ません。

すすぎが不十分で汚れが残った場合は、洗浄不良・滅菌不良による再洗浄対応ですが、洗浄剤自体が器材に残留したまま払い出された器材が患者様へどのような悪影響があります。皆様も一度は聞かれたことがあると思いますが、TASS(赤目症状)が挙げられます。
Toxic Anterior Segment Syndrome以下略して(TASS=無菌性眼内炎)は白内障手術などの内眼手術後、非感染性物質によって前眼部に発症する炎症性疾患といわれており、その原因として挙げられるのが、洗剤残留物やエンドトキシン(菌の死骸が放つ毒素)と言われております。アルカリ洗剤では無く中性酵素洗浄剤だから大丈夫・・とはいかず、眼科・マイクロ器材など酵素残留は非常に危険です。

また近頃では最終すすぎ工程時に酸性のメンテナンス剤を使用する病院も増えており人体にももちろん問題ですが、メンテナンス剤残留により、器材が酸性に偏ることで黒や紫色に変色したという報告を受ける事が多々ありすすぎ不十分によるリスクは洗浄不良のみにとどまらず、後に重大なインシデント(トラブル)を引き起こすことがあります。


簡単なすすぎ性確認としては、pH試験紙を用いてウォッシャーディスインフェクターから出てきた後pH試験紙で中性域に戻っているか目視確認が出来ます。

ウォッシャーディスインフェクターも装置が古くなって来ると洗剤分注量に誤差がでます。もし洗剤が多く分注され、すすぎ性が甘かった場合においてもpH試験紙を使用しますと簡単に目視で洗剤残留を判断できます。
洗浄ばかりにどうしても目が行きがちですが、すすぎ性にも目をやり残留物が発生していない事を確認する事により患者様へ安心安全な医療機器を提供できるのではないでしょうか。


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