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なぜ?家庭用食器洗浄剤を使用してはダメなのか?
2024年04月12日先週末は花見に行ってきました。皆様は、お花見にはお出かけになりましたか?楽しい時間を過ごしていると、日頃の疲れも癒されます。
桜は、別名、夢見草(ゆめみぐさ)ともいいます。儚く夢のように美しいその姿にピッタリな名前です。
当社も、素晴らしき社名NCC株式会社『協働でお役たちを実現するお客様応援団であり続ける。病院様・代理店様・弊社間でNice Communication Company』を意識し常に精進し社員一丸で業務に当たります。
今回のコラムでは、気になる家庭用食器洗剤で医療用の器具を洗浄している現場をときどき見受ける事についてお客様応援団として情報を届ければと思い書き進めて行きます。
まず、家庭用食器洗浄剤とは?
昭和30年代の初め頃から登場した家庭用食器洗浄剤は、食生活の洋風化が進んで油汚れが増えるなど、水洗いだけではきれいに洗えなくなった 食器を洗う洗剤として普及しました。また、野菜や果物も洗えるというのが、大きな訴求ポイントでもありました。当時は、野菜や果物についた回虫の卵や農薬なども、家庭用食器洗剤で洗えばきれいになり安心できるという、食生活の衛生上からの役割も大きかったのです。
食器を洗うこと、食物を洗うことを目的とした家庭用食器洗浄剤は、食器や食物に付着して口に入ることも想定されます。そのため、食品衛生法上の規制を受けなければなりません。つまり、酵素や漂白剤は含んではならず、香料も食品衛生法施行規則に定めるもの以外は使えません。
この事からも家庭用食器洗浄剤は、マイルドな洗浄が連想できると思います。医療用の洗浄剤は、『医療機器アドバイザーコラム 第36弾』でも説明がある通り医療器材表面に残留することは、想定されておらず確実な『すすぎ』が要求され、汚染物質を確実に落としきる強力な洗浄剤である事が連想できると思います。
以上の事から医療現場では家庭用食器洗浄剤の使用は推奨しません。なぜなら家庭用食器洗浄剤は汚れのターゲットが食器に付着している油汚れのことが多く、医療器具に付着した血液・ウイルス・菌などの汚染物に対しては適切な効果を発揮しないことが理由です。 見た目は綺麗になりますが、タンパク質が残留することもあります。さらに防錆効果も低いため、トラブルを引き起こす原因にもなります。ここからは、医療機器用洗浄剤の話ではなく皆様が家庭に帰られて使用される家庭用食器洗浄剤を使用して洗浄を行ってはダメな製品が家庭にもあると言う情報を洗浄アドバイザーとして、お客様応援団を名乗っている企業として提供させて頂きたいと思います。
NCC Column LIST
それは、皆様が遊びや通勤で乗られている乗用車(クルマ)です。
医療機器用洗浄剤と同じく、家庭用食器洗浄剤と洗車用洗浄剤も落とす汚れが違うため 洗車洗浄剤が切れているから家庭用洗浄剤で『洗っちゃえ』と思いがちですが絶対しては ダメな行為なのです。
医療機器を洗浄するさいと同じ事なのですが、家庭用洗剤は油汚れを落とすための洗剤で、洗車用洗浄剤は車に付着した泥や砂・虫や鳥のフンなどの汚れ落としを想定して作られており、車の塗装面をキレイにするための洗剤です。
後重要な事は、家庭用洗剤も洗車用洗剤も、主成分は界面活性剤ですが洗車用洗浄剤には車体を保護する成分が含まれていますが、食器用洗剤には含まれていません。この点を把握しておかないと、大切な車をむやみにキズつけてしまう可能性があります。ここも医療機器の洗浄の時と同じですね。
劣化に関して医療機器と車での情報を並べて見ましょう
● 医療機器 ・・・ 防錆効果が低いため錆びの発生を予兆する
● 車 ・・・ 保護効果が低いためワックスが剥がれ錆を予兆する
● 医療機器 ・・・ すすぎ性が悪いため洗剤残留のまま滅菌工程に進み高温での
界面活性剤残留により輪じみ・変色発生
● 車 ・・・ 念入りにすすいでも車のパーツ部分に洗剤が残ってしまい窓枠や
ワイパーなどのゴムパーツの劣化発生
家庭用洗剤を医療機器洗浄や洗車に使用した場合、様々な部分にダメージを与えてしまうだけでなく、
その後の使用に問題が発生する可能性がある点は把握しておきましょう。
家庭用洗剤を使用する簡単さや安価だけで選ぶと後々トラブルを招く恐れがあります。
『餅は、餅屋』で食器は食器・医療機器は医療機器・車は車の専用洗浄剤の方が、機能性・安全性の面で安心してお使いいただけます。